MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦 スーパーバイクレースin鈴鹿日時:2025年10月25日(土)会場:鈴鹿サーキット(三重県)天気:雨路面:ウェット MFJ全日本ロードレース選手権シリーズの2025年最終戦となる第7戦は、「第57回 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿」として、10月25日(土)~26日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催。全日本最高峰となるJSB1000クラスのみ2レース制で、このうちレース1は土曜日の午後に14周で競われた。 土曜日の午前中は曇りで、朝はフルウェットだった路面は昼頃にかけて徐々に乾いたが、このレースのスタート前から再び雨が降りはじめ、周回数はそのままにウェットレースが宣言された。 スタート進行中に雨量がやや多くなり、当初はスリックタイヤだったライダーの大半がレインタイヤに換装。この中、予選2番手の中須賀 克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)はスリックのままだったが、ウォームアップラップを走ったところでピットインし、そのままリタイアした。■JSB1000 Supported by ETS Racing Fuels(JSB1000クラス)/決勝レース1 レースウィークに入ってからは一度もウェットコンディションでの走行がなく、スタート直前から雨が降りはじめ、しかもレース中盤に雨脚が強くなる難しいコンディション。しかし水野 涼選手(DUCATI Team KAGAYAMA)の走りは、大きく乱されることがなかった。ドライコンディションの予選で3番手となり、フロントローからスタートすると、ポールポジションの浦本 修充選手(AutoRace Ube Racing Team)よりも先に1コーナーへ進入。一度は浦本選手の先行を許したが、すぐに再逆転し、水野選手がトップでオープニングラップをクリアした。 水野選手と浦本選手は、接近戦を続ける3番手争いの集団より圧倒的にハイペースで、序盤の3周だけで7秒以上も引き離し、早くもマッチレースの様相。さらに、水野選手を僅差でマークしていた浦本選手は、3周目に入ったあたりから遅れはじめ、これで7周目までに水野選手が約5.1秒のリードを奪った。 レースが後半に入ると、明らかに雨脚が強くなり、水野選手と浦本選手のギャップはやや減少傾向に。それでも、10周目の段階で水野選手は約4.5秒のアドバンテージを確保していた。そして11周目以降、再び水野選手がリードを拡大。両者がファイナルラップとなる14周目に入ったところで、転倒者の発生により赤旗が提示され、そのままレース成立となったため、水野選手の優勝、浦本選手の2位が確定した。水野選手の優勝は今季開幕戦以来で、鈴鹿サーキットの全日本では昨年最終戦から3連勝を飾った。#3水野 涼選手は序盤から#31浦本 修充選手を振り切って優勝したスリックタイヤでレースに臨んだ中須賀 克行選手はスタートすることなくリタイアした トップ2からは大きく遅れたが、表彰台をかけた争いは非常に激しいものになった。オープニングラップには、またしても長島 哲太選手(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)が混戦の中で積極的なパッシングを続け、予選6番手から3ポジションアップ。これを岩田 悟選手(Team ATJ)や津田 拓也選手(Team SUZUKI CN CHALLENGE)、野左根 航汰選手(Astemo Pro Honda SI Racing)らが追うと、2周目には岩田選手が集団の先頭に立った。3周目には長島選手が津田選手を抜くも、翌周には津田選手が再逆転。5周目以降に岩田選手は順位を下げ、代わりに今季第2戦以来のスポット参戦となる日浦 大治朗選手(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)が上がってきた。 そして6周目以降は、前戦に続いてスポット参戦した渥美 心選手(Yoshimura SERT Motul)、野左根選手、岩田選手による6番手争いのグループを数秒離しつつ、津田選手と長島選手と日浦選手が僅差の3番手争いを展開した。8周目、Astemoシケインでオーバーランした長島選手が約1.7秒遅れ、これで津田選手のリードは約2.4秒に。ところがここから、日浦選手がベストラップタイムを連発して追い上げ、11周目には両者のギャップが約0.6秒にまで縮まった。 13周目、日浦選手との距離をほんの少し拡大した津田選手が転倒。その後にレースは赤旗で終了となり、12周目の順位で成立したが、津田選手は赤旗提示後5分以内にピットレーンまで戻ることができなかったため、繰り上げにより日浦選手が3位を獲得した。日浦選手に引き離されながらも4番手をキープしていた長島選手は、12周目に転倒して16番手まで後退しており、渥美選手が4位、野左根選手が5位、岩田選手が6位となった。3位争いを制した日浦 大治朗選手写真後方の渥美 心選手が前方の野左根 航汰選手をかわして4位に■優勝/水野 涼選手コメント「今年は、開幕戦で優勝してからすぐにケガしてしまい、その後はうまくいかないレースが続いていたので、この最終戦でチームに対してひとつ結果で返せたことを、本当にうれしく思っています。このレースウィークは、テストの段階から一度もウェットコンディションでの走行がなく、全員がぶっつけ本番で、どれくらいのペースで走ればいいのか完全に手探り状態。だからこそレース序盤のペースが大事だと考え、コースインの段階でレインタイヤを履いて皮むきをして、サイティングラップでもなるべくペースを上げて走るように意識し、タイヤのウォームアップを進めました。その結果、スタート直後からいいペースで走れて、作戦どおりに後続を引き離すことができました」■2位/浦本 修充選手コメント「予選まではドライコンディションでいい流れでしたが、決勝レース1は雨に……。このバイクでウェットコンディションを走行した経験があまりなかったので、レース序盤は様子を見つつ、水野選手になるべく頑張ってついていこうと試みました。しかし、水野選手のほうが自分よりもだいぶペースが良さそうで、途中からはついていくのは厳しいと判断。そのままの順位で終わりました。レース自体は本当に悔しいし、明日のレース2でリベンジしたい気持ちでいっぱいですが、第2戦の事前テストで水野選手がクラッシュしたときも近くにいたし、その後に辛いシーズンを過ごしていたのも見ていたので、水野選手の優勝に対しては心から『おめでとう!』と言いたいです」■3位/日浦 大治朗選手コメント「第2戦レース1に続き、今季2度目のスポット参戦で今回も3位に入ることができて、とてもうれしいです。レース終盤に4番手を走っていることはわかっていましたが、自分自身もかなり限界に近く、一度は諦めかけました。しかし津田選手が130Rでオーバーランして追いつき、翌周に転倒。これで3位になれましたが、第2戦に続いて今回も最後はラッキーだったので、明日のレース2は実力で表彰台に立ちたいです。滑りやすい路面で、バイクの挙動はかなり大きかったのですが、長年の全日本スーパーモト選手権フル参戦による経験も活きたと感じています。でも、参戦チームの桜井ホンダが本当にいいバイクを用意してくれて、コントロールしやすかったことが、3位になれた最大の要因だったと感じています」リザルトMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦 スーパーバイクレースin鈴鹿公式サイト鈴鹿サーキット関連情報全日本ロードレース第7戦 第57回 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿