2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第3戦 筑波大会日時:2025年6月22日(日)会場:筑波サーキット(茨城県)天気:晴れ路面:ドライ 2025年のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦筑波大会は、6月21日(土)~22日(日)に茨城県・筑波サーキットで開催。今大会は筑波ロードレース選手権シリーズとの併催で、全日本格式としてはJ-GP3クラスのみとなった。 そのJ-GP3クラスは、土曜日に予選と決勝レース1、日曜日の午後に決勝レース2を実施。日曜日は朝から晴れで、午前中から非常に気温が高く、レース時の気温は35.2℃、路面温度は58.2℃という、真夏のような酷暑となった。■J-GP3クラス/決勝 予選でダブルポールポジションを獲得し、決勝レース1で勝利を収めた尾野 弘樹選手(P.MU 7C GALESPEED)が、レース2でもライバルを圧倒。ウェットコンディションだった今季初戦は2位に終わったが、今大会ではみずから「尾野弘樹劇場」と表現する勝利のドラマを、完璧に演じ切った。20周の決勝レースは、予選2位の高杉 奈緒子選手(TEAM NAOKO KTM)がホールショットを奪ったが、すぐに尾野選手が抜き返して、オープニングラップをトップでクリア。2番手には予選3位の若松 怜選手(JAPAN POST docomo business TP)が浮上した。#2若松 怜選手と#5高杉 奈緒子選手の追撃を受ける#1尾野 弘樹選手 レース序盤、尾野選手と若松選手と高杉選手のトップ3は、4番手の池上 聖竜選手(MotoUP Racing)を1周につきコンマ数秒ずつ離しながら、トップグループを形成。3周目には若松選手が先頭に立ったが、翌周にはすぐに尾野選手が再逆転した。この周、4番手には中谷 健心選手(MotoUP Racing)がポジションアップ。この段階で、トップグループとのギャップは約1.6秒だった。トップ3の主導権争いはなおもし烈で、6周目の第1コーナーでは再び若松選手が先行するも、8周目の最終コーナーではまたしても尾野選手が前に出た。順位の入れ替えでトップグループのペースがほんの少し落ちた間に、4番手の中谷選手は約1.2秒差まで近づいた。序盤、果敢に勝負を挑んだ#2若松 怜選手 レースが後半に入ると、トップ集団をけん引する尾野選手は、コンマ数秒ペースを上げ、1分00秒6台を連発。これにより、4番手以下が徐々に離れたのに加え、トップグループの間隔もわずかに開きはじめ、残り4周となった17周目には、ついに尾野選手と2番手を守る若松選手のギャップは1秒以上、2番手の若松選手と3番手の高杉選手も2秒近い差となった。そして最後は完全に後続を突き放した尾野選手が優勝。若松選手が2位、高杉選手が3位となった。尾野選手は、予選と決勝2レースのパーフェクトウィンを達成。また高杉選手は、2021年第3戦以来約4年ぶりの全日本表彰台登壇となった。Race1ではエンジンにトラブルを抱えていた高杉選手だが、Race2では復旧し3位獲得 一方、このトップ3に一時は約1.2秒差まで迫った中谷選手は、レース後半になって1周につきコンマ数秒ずつ遅れたものの、終盤に少し遅れた高杉選手に接近。0.933秒差の4位で、全日本自己最高位を更新した。この中谷選手から遅れつつ、激しいバトルとなったのが5番手争い。池上選手を先頭に、レース1では尾野選手を中盤まで追うも転倒に泣いた武中 駿選手(Team Plusone)、レース1で2位の岡崎 静夏選手(JAPAN POST Honda RACING TP)、同3位の松島 璃空選手(BREASTO B-TRIBE RACING)が僅差で連なった。14周目以降、池上選手と武中選手の先頭争いが激化。15周目に武中選手が先行すると、18周目には岡崎選手も池上選手をパスした。しかし岡崎選手は、武中選手に仕掛けた最終ラップの第1コーナーでアウトにはらんで後退。これにより武中選手が5位、池上選手が6位松島選手が7位、岡崎選手が8位となった。4位を獲得した#11中谷 健心選手。その後方の5位争いは最終ラップまで続いた■優勝/尾野 弘樹選手コメント 「レース序盤から中盤にかけ、若松 怜選手とのバトルになりましたが、前日のレース1でも転倒者が続出しており、難しいコンディションだということは理解していたので、若松選手の様子を見ながら無理せずレースを進めました。タイヤテストを兼ねての参戦なので、これは毎戦そうなのですが、決勝をスタートしてみるまで自分がどういう状況下なのかわからないときが多いんです。気温と路面温度が少しだけ低かったレース1ですら、ウェットコンディションのようなサバイバルレースになっていたので、レース2はより厳しくなると予想。そのため、なるべく安牌を選びたいと考え、20周のレースで自分のペースがどれくらい持つのか、序盤に探りながら走っていました。やはりレース1よりも残り5周のキツさは上でしたが、結果的にはダブルウィンのとてもいい週末になりました」■2位/若松 怜選手コメント 「マシンのセットアップが決まらないという悩みに加え、予選中にタイムを縮められない焦りから無理にプッシュしていたところでハイサイド。転倒は免れたものの、変なリカバリーをして腕をひねってしまいました。腕の痛みという不安を抱えながらのレース1は、トップ2についていけず、岡崎 静夏選手に抜かれたことでまた焦って転倒。辛い1日でした。しかしレース1の終了後、メカニックやサスペンションメーカー、チームの小山 知良選手などと相談したことで、内容的に完璧とは言えないまでも、レース2ではある程度修正できたと思います。序盤だけとはいえ尾野 弘樹選手とトップ争いをして、無事に表彰台に上がることができたので、ほっとしている部分もありますが、レース1での転倒がとにかく悔やまれます」■3位/高杉 奈緒子選手コメント 「前日のレース1はエンジンにトラブルを抱えており、トップスピードが伸びない苦しい状況の中でなんとか戦い抜いて、リザルトは4位。ゴール後にエンジンが壊れていることが判明し、メカニックが夜遅くまで作業してエンジンを乗せ換えてくれました。そのおかげで、レース2はよく走るバイクで勝負できました。他にも、チームのみんなが頑張ってくれたから得られた結果なので、とても感謝しています。久しぶりの表彰台で、とにかくうれしいです。私はもう若くないのですが、だからこそ若い子たちの壁になれるよう、まだまだ頑張りたいと思います!」リザルト2025MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦筑波大会関連記事一覧2025MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦筑波大会