2025MFJ全日本ロードレース第6戦 スーパーバイクレース in 岡山日時:2025年10月5日(日)会場:岡山国際サーキット(岡山県)天気:晴れ路面:ドライ 2025年のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第6戦は、「スーパーバイクレース in 岡山」として10月4日(土)~5日(日)に開催。その舞台となった岡山国際サーキットは、標高246~275mの山間部位置する1周3747mのテクニカルコースだ。 ST600クラスの決勝は、日曜日の最終レースとして19周で実施。日中の天候は晴れ時々曇りで、気温は30℃に迫るほどまで上昇。朝の段階では濡れていた路面は、昼の段階で完全なドライコンディションに回復した。 ポイントランキングでは68.2点の伊達 悠太選手(AKENO SPEED・MAVERICK)がトップ、59.8点の南本 宗一郎選手(AKENO SPEED・YAMAHA)が2番手、45.2点の藤田 哲弥選手(TN45RacingTeam)が3番手、44.8点の松岡 玲選手(ITO RACING BORG CUSTOM)が4番手で今大会に臨んだ。■ST600 Supported by BRIDGESTONE(ST600クラス)/決勝 終わってみれば、下馬評どおりに長尾 健吾選手(TEAMKENKEN YTch)が圧勝。オープニングラップこそライバルたちの先行を許したが、先頭に立ってからは着実に後続を引き離して寄せつけず、オートポリスを舞台とした2023年9月の第6戦以来約2年1ヵ月ぶりとなる全日本優勝を挙げた。ウェットコンディションとなった予選では、ポールポジションを小山 知良選手(JAPAN POST Honda RACING TP)に譲り、決勝のスタートでは3番手スタートだった松岡 玲選手(ITO RACING BORG CUSTOM)の先行を許したが、3台による激しいバトルの末、1周目に小山選手、2周目に松岡選手をパスしてトップに浮上。その後、じわじわとリードを拡大していった。 10日ほど前に実施した公開テストで、ライバルを圧倒するトップタイムをマークしていた長尾選手は、3周目にこのレースのファステストラップタイムを記録。序盤の6周でリードを約3.2秒に拡大すると、さらにハイペースで周回を重ね、12周目の段階で約5.6秒のアドバンテージを築いた。レース終盤、長尾選手はややペースダウンしたが、それでも2番手以下よりやや速く、さらにリードを拡大。16周目には約6.3秒までギャップを拡大すると、その後は完全にペースを落としてコントロールし、19周を危なげなく走破して今季初優勝を収めた。独走で優勝を決めた長尾 健吾選手 独走のトップとは裏腹に、2番手争いは大激戦。2周目に長尾選手の先行を許した後、松岡選手と小山選手のバトルに、やや出遅れていた伊達 悠太選手(AKENO SPEED・MAVERICK)が加わり、さらに1秒ほど離れて南本 宗一郎選手(AKENO SPEED・YAMAHA)が3台を追った。4周目には小山選手が集団の先頭に立ち、5周目には伊達選手も松岡選手をパス。しかし翌周に松岡選手が抜き返し、この間に小山選手が少しリードを奪い、南本選手は完全に追いついた。レースが後半に入ると、松岡選手と伊達選手が再び小山選手に追いつき、南本選手は前から2秒ほど遅れることに。12周目には、松岡選手と伊達選手が小山選手を抜いた。 冷静に戦略を組んでいた小山選手は、体力とタイヤを温存した後、15周目には1コーナーで伊達選手、ダブルヘアピンとなるレッドマンコーナーの進入で松岡選手をパス。このタイミングで南本選手も前との距離を詰めはじめ、ラスト4周は再び4台による大激戦となった。迎えた19周目の最終ラップには小山選手、松岡選手、伊達選手、南本選手の順で突入。ヘアピンコーナーでは松岡選手が前に出て、伊達選手と接触した南本選手が遅れた。2位争いを制したのは#11小山 知良選手。#3伊達 悠太選手は3位でランキングトップを守った そして再びレッドマンコーナーで、小山選手が松岡選手のインへ。両者がやや膨らんだところで伊達選手も続き、最終的に小山選手が2位、伊達選手が3位、松岡選手が4位、南本選手が5位となった。6位には、迫る後続を抑えて3周目から順位を守り抜いた小田喜 阿門選手(SDG Team HARC-PRO. Honda)が入賞。なお、小山選手は前戦でも2位を獲得しているが、これは決勝中止による予選順位結果に基づくもので、全日本表彰台登壇は同じく2位となった2023年最終戦以来となる。地元岡山の松岡 玲選手は惜しくも表彰台を逃した■優勝/長尾 健吾選手コメント「毎回そうなのですが、『イケる!』と思ったレースでイケないのがチーム・ケンケン。しかも今大会は天候が安定しておらず、予選を終えた段階でも決勝がドライなのかウェットなのか微妙な状況だったので、今回ばかりはあまり気負わず、淡々と自分のペースを刻むことを意識して決勝に臨みました。とはいえ公開テストでは好調で、自分の走りに自信を持てるくらいではあったので、そこが精神安定剤として機能し、『今回はオレのレースだ』という適度な強気の走りもできました。スタートで少しミスして出遅れ、後ろから眺めていたら、松岡選手がかなりエキサイトしている感じだったので、状況によっては厳しいかもと思いましたが、一度先頭に立ってみたところ、後ろがちょっとずつ離れてくれました。久々に全日本で優勝できて、自信を取り戻せました」■2位/小山 知良選手コメント「人生で初めて、ロードレース中に腕上がりの症状になりました。公開テストの段階から、長尾選手が圧倒的なアベレージスピードを持っていることは知っており、絶対に追いつけないとわかっていたので、とにかく2位を死守することに徹しました。1周目のバックストレートで、松岡選手がけっこう際どいバトルを仕掛けてきて、いい感じで自分のスイッチを入れてくれたので、逆に最終ラップではこちらもやや強引に仕掛けられました。鈴鹿サーキットでの最終戦は、昨年に大ケガした大会。カラダはまだまだ厳しい状態で、コーナーが連続するS字区間は腕への負担も大きいと思いますが、リベンジも果たしたいですし、小山&長尾には失うものがないので、最終戦は優勝を賭けたビッグバトルが観られると思います!」■3位/伊達 悠太選手コメント「決勝レースが、このウィークで初めてドライコンディションでの走行に。自分的には、公開テストでドライを走ったときに、マシンの仕上がりに不満があり、いろいろ試したいことがあったのですが、朝のウォーミングアップランはまだスリックタイヤで走れるような状況ではありませんでした。かといって、決勝で賭けはできないので、納得はいかないけどテストでのセットで走ることに。さらに、雨上がりの影響なのか、テストのときよりも路面が滑りやすく、なかなかペースを上げることができませんでした。メンタル面では、チャンピオンシップを意識しすぎてしまい、一方で小山選手や松岡選手はめちゃめちゃアグレッシブに走っていて、ずっと『やめて~』と言いながら走っていました。そういう中で3位を獲得できたことは満足しています」リザルトMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 スーパーバイクレースin岡山公式サイト岡山国際サーキット関連情報全日本ロードレース第6戦 スーパーバイクレース in 岡山