2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第2戦 スーパーバイクレース in SUGO日時:2025年5月25日(日)会場:スポーツランドSUGO(宮城県)天気:曇り路面:ウェット 2025年のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第2戦は、「スーパーバイクレース in SUGO」として5月24日(土)~25日(日)に宮城県・スポーツランドSUGOで開催。J-GP3クラスは、日曜日に20周の決勝レースを実施した。 前日の午後から降雨となり、朝のウォームアップ走行は、公開テストとレースウィークで初のウェット走行。決勝前に雨は止んだが、依然として路面が濡れたまま、路面温度も18~19℃と低い状況でレースはスタートした。■J-GP3クラス/決勝 ポールポジションの尾野 弘樹選手(P.MU 7C GALESPEED)が抜群のスタート。逆に予選2位の若松 怜選手(JAPAN POST docomo business TP)はやや出遅れたが、それでもオープニングラップにするすると順位を上げ、尾野選手の背後につけた。1周目だけで、尾野選手と若松選手は後続を約1.6秒も離し、このままマッチレースに持ち込むかに思われたが、2周目には高杉 奈緒子選手(TEAM NAOKO KTM)が3番手に順位を上げ、トップ2に約1.2秒差とやや近づいた。ところが3周目に入ったところで、高杉選手は転倒。これで3番手に返り咲いた予選3位の武中 駿選手(Team Plusone)が、予選6位の大田 隼人選手(MARUMAE Dream Kitakyushu CPARIS)を引き連れながら、トップ2を約1秒差で追った。 一方、トップ争いは3周目に若松選手が先行したが、ラプラスシケインでややミスし、ストレートでは再び尾野選手が前に。それでも、5周目に若松選手は再びパッシングに成功すると、すぐに尾野選手を引き離し始めた。若松選手は、尾野選手が大田選手にも抜かれた7周目には、ラップタイムを1分41秒台に入れて約3.7秒にリードを広げると、翌周にも1分41秒881でベストラップ更新。2番手以下はこの周に1分43秒台で、若松選手のリードは約5秒に拡大した。これで完全に独走状態となった若松選手は、その後の数周で7秒程度まで2番手以下を引き離すと、ペースをコントロール。20周目の最終ラップまで危なげなく走破し、今季初戦を勝利で飾った。#1の尾野選手と#2の若松選手がレースをリードしたが、若松選手がトップに立つと少しずつ差を広げていった 2番手争いでは、大田選手が2秒ほど尾野選手を離し、尾野選手には武中選手が肉迫。9~10周目にかけて尾野選手と武中選手がバトルを演じ、武中選手が先行した。翌周、尾野選手は0.6秒ほど遅れたが、ここで走りを立て直すと、武中選手との距離を詰め、13周目に再逆転を果たした。このバトルの間に、2番手の大田選手は約2.8秒逃げていたが、ここから尾野選手が追い上げ、尾野選手に引っ張られるように武中選手も接近。ラスト3周となる18周目に入ったところでは、大田選手と尾野選手と武中選手がワンパックになっていたが、武中選手はこの周に転倒してリタイアに終わった。そして尾野選手は、ホームストレートで先行。ラスト2周を逃げ切り、尾野選手が2位となった。大田選手3位で、全日本初表彰台に登壇した。一時2位を走っていた#8太田選手に接近する#1尾野選手 レース前半は、ノップルットポン・ブンプラウェット選手(Astemo SI Racing with ThaiHonda)とスタート直後に2番手まで順位を上げた中谷 健心選手(MotoUPRacing)のバトルも激しく、何度か順位を入れ替えながら5番手争いを続けていたが、レースが後半に入ったところで中谷選手が数秒遅れ、武中選手の転倒もあってブンプラウェット選手が4位を獲得。中谷選手は約2秒差の5位となった。さらに、中谷選手からは20秒ほど遅れたが、ラスト3周は知識 隼和選手(MotoUPRacing)と松田 基成選手(Like a Wind ・ CLUB Y's)と仲村 瑛冬選手(TeamLife.HondaDream Kitakyushu)の6番手争いも非常に激しく、ここで順位を上げた仲村選手が6位となった。4位を獲得した#30ブンプラウェット選手■優勝/若松 怜選手コメント 「朝起きたらまだ雨が降っていて、雨が好きでも得意でもないので、正直なところかなりげんなりしました。でも、乾いてくればまだチャンスがあるかも……と思いながら、朝の時間を過ごしていました。朝のウォームラップで他のクラスが走行して、少しずつ乾き始めていたので、ST1000クラスやST600クラスに参戦しているチームメイトたちからコース状況を教えてもらうとともに、『レース終盤はかなり乾くと思うから気をつけなよ』とアドバイスももらいました。序盤の貯金を活かして、なんとか開幕戦で勝てたのでうれしいです。昨年の最終戦でシリーズタイトル獲得を逃してから、この今季初戦まで、約7ヵ月間も悔しい思いを抱え込んでいたので、この優勝で喜びが爆発しました」■2位/尾野 弘樹選手コメント 「前日まではドライで、非常に調子がよかったのですが、ウェットコンディションになればまるで別の展開になるだろうと予想していました。とはいえ、ウォームアップではウェット走行の感触も悪くなかったのですが、決勝では路面の水量が少なくなり、その状況で自分が思ったフィーリングにならず、本当に厳しい戦いになりました。若松 怜選手に抜かれてからも、本当に何もできない状態。ただただライバルのペースに任せて周回を続けるだけというガマンのレースだったのですが、最後になんとか2位になれて、最低限の仕事はできたかと考えています。最後の5周は、ライディングでの調整もしましたが、それ以上に気持ちの部分が大きかったと思います」■3位/大田 隼人選手コメント 「スタートがうまく決まり、レース中盤には2番手まで上がれたのですが、トップが離れていっているのが見えていたので、少しでも追おうと、終盤のことを考えずにコーナーの進入で頑張りすぎ、結果的には最後のほうで抜かれて3位でした。でも、全日本で初めてトップグループのほうでバトルができ、この経験を今後に活かせると感じています。次戦の筑波サーキットは、得意なほうだと思うので、またトップ集団でレースをして、ひとつでも上の順位でゴールしたいと思います」リザルト2025MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第2戦 スーパーバイクレースinSUGO