2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第3戦 筑波大会日時:2025年6月21日(土)会場:筑波サーキット(茨城県)天気:曇り路面:ドライ 2025年のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦筑波大会は、6月21日(土)~22日(日)に茨城県・筑波サーキットで開催。今大会は筑波ロードレース選手権シリーズとの併催で、全日本格式としてはJ-GP3クラスのみとなった。 そのJ-GP3クラス決勝は、土曜日午後と日曜日午後にいずれも20周で競われる2レース制。土曜日レース1の天候は、風がやや強く吹き雲が多めの晴れ。気温は32.6℃、路面温度は56.4℃と、真夏のようなコンディションだった。■J-GP3クラス/決勝 ポールポジションの尾野 弘樹選手(P.MU 7C GALESPEED)が最高のスタートを決め、真っ先に1コーナーをクリア。これに予選2位の高杉 奈緒子選手(TEAM NAOKO KTM)、予選5位から順位を上げた武中 駿選手(Team Plusone)、予選3位の岡崎 静夏選手(JAPAN POST Honda RACING TP)、予選4位の若松 怜選手(JAPAN POST docomo business TP)、予選6位の池上 聖竜選手(MotoUP Racing)が続いた。しかし1周目の第2ヘアピンで、池上選手は転倒。大きく順位を落とした。 2周目、トップの尾野選手は早くも後続を引き離しはじめたが、最終コーナーでミスして3番手後退。3周目の第1ヘアピンでは、武中選手が高杉選手のインを突いたが、さらにそのインに尾野選手が飛び込み、2台抜きで再び先頭に立った。その後方では、予選7位の中谷 健心選手(MotoUP Racing)が若松選手と5番手争い。この中谷選手まで6台が早くも後続を引き離し、トップグループを形成した。しかし3番手の高杉選手はペースが上がらず、これで尾野選手と武中選手が微妙に抜け出し、見かねた若松選手が7周目に3番手まで順位を上げたが、トップ2からは約1秒遅れてしまった。予選2位を獲得した#5高杉 奈緒子選手は好スタートを決めるも4位に沈んだ マッチレースに近くなったトップ争いでは、8周目の第2ヘアピン、9周目の第1コーナーと立て続けに仕掛けて武中選手が先行。しかし尾野選手は振り返って後続を確認した後、9周目のバックストレッチで再び抜き返した。この段階で、高杉選手はすでに6番手まで後退。武中選手を約1秒差で若松選手が追い、その約0.8秒後方で岡崎選手がマークし、さらに約0.6秒差で中谷選手が続いた。ここから、ペースを上げたのは岡崎選手。10周目には、猛暑の決勝中としてはかなりハイペースな1分00秒189のファステストラップタイムをマークし、3番手を走る若松選手との距離を詰めていった。 これによりレース後半は、尾野選手と武中選手のトップ争い、若松選手と岡崎選手の3番手争いという展開に。5番手の中谷選手は、前後に2秒ほどのギャップがある単独走行となった。14周目、なおも尾野選手を追っていた武中選手が、第1コーナーで転倒。これで尾野選手は、約2.2秒のリードを得ることになった。一方、この14周目あたりからさらに距離が近くなった、若松選手と岡崎選手の2番手争いでは、16周目の第1コーナーで若松選手がアウトに膨らみ、この間に岡崎選手が先行。再逆転を狙った若松選手は、アジアコーナー立ち上がりでハイサイド転倒を喫してリタイアとなった。#1尾野 弘樹選手に迫る#10武中 駿選手だったが14周で転倒リタイアに#2若松 怜選手を追う#2岡崎 静夏選手。好調な岡崎選手は10周目にファステストラップを記録 これにより20周のレースは、尾野選手が独走で今季初優勝、岡崎選手が自己ベストリザルト更新となる2位となった。3位を獲得したのは松島 璃空選手(BREASTO B-TRIBE RACING)。予選7位からスタートでやや出遅れ、1周目は9番手に沈んでいたが、ここから徐々に追い上げると、ライバルたちのペースが落ちはじめたレース終盤にするすると順位を上げ、全日本初表彰台圏内でのフィニッシュを果たした。レース終盤にペースを落とした中谷選手を再逆転して、高杉選手が4位。中谷選手が5位、予選10位から追い上げた飯高 新悟選手(KIJIMA KISS RACING Katsudenki)が6位だった。3位を獲得した松島 璃空選手■優勝/尾野 弘樹選手コメント 「決勝は、気温も路面温度も上昇。昨日の特別スポーツ走行と同じようなフィーリングになるだろうと予想していました。しっかりスタートを決め、序盤からいい感じで走れていると思った矢先、最終コーナーでフロントタイヤがスリップ。なんとか回避できたのですが、転倒寸前というくらいの状況で、そこで前日とはコンディションが少し違うということを察知しました。ここからは気持ちを切り替え、周りがどう出てくるかでペース配分を変えようと思いつつ、淡々と走りました。結果的に、久々の独走優勝。全日本の初戦、アジアロードレース選手権と、悔しいレースが続いていましたが、ここでようやく自分らしいレースができたと思います」■2位/岡崎 静夏選手コメント 「予選ではベストタイムを更新、決勝では初めて自力で表彰台に立ち、しかもベストリザルトを更新することもできました。応援してくださる方々がいて、現在所属するチームで走れて、言われたことの70%くらいしかできなかったとはいえ、小山知良大先生のアドバイスがあっての結果。でも、まだ尾野選手の“劇場”に登場できるような距離ではなかったので、しっかり練習やトレーニングを積み重ね、まずは“団員”になれるよう進歩していきたいと思っています。明日の日曜日も決勝があるので、しっかりレースを組み立て、暑い中で応援してくれるファンの方々に応えたいです」■3位/松島 璃空選手コメント 「今シーズンはケガからはじまり、マシンも今年のパッケージになってからフロントのフィーリングが掴めない状況。ここまで転倒も何度かあったので、今回も厳しいレースになると覚悟していました。スタートで出遅れてしまい、マシンの感触に怪しいところもあったのですが、とはいえ前のライダーを1台ずつパス。気温と路面温度が上がり、他のライダーたちのスライド量が多くなっていると確認できたので、こちらは無理にマシンを曲げるようなことはせず、なるべくタイヤを冷やしつつ追い上げました。棚ボタな部分もあると思いますが、とはいえ初表彰台なのでうれしいです」リザルト2025MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦筑波大会関連記事一覧2025MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦筑波大会