2025MFJ全日本ロードレース第5戦 スーパーバイクレース in 九州日時:2025年9月13日(土)会場:オートポリス(大分県)天気:曇り路面:ドライ(ウェット宣言) 2025年のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦は、「スーパーバイクレース in 九州」として9月13日(土)~14日(日)に大分県・オートポリスで開催。最高峰となるJSB1000クラスは決勝2レース設定で、土曜日の午後に15周のレース1を実施した。 午前中の予選では、ランキングトップに立つ中須賀 克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)がポールポジションを獲得。野左根 航汰選手(Astemo Pro Honda SI Racing)が予選2番手、津田 拓也選手(Team SUZUKI CN CHALLENGE)が同3番手で、決勝レース1のフロントロースタートとなった。 直前に実施されたJP250クラスの決勝中に降雨があり、ウェットレースが宣言された状態でレースがスタート。依然として厚く低い雲が空を覆い、風もかなり強かったが、路面はほぼドライコンディションで、全ライダーがスリックタイヤを選択してグリッドに並んだ。■JSB1000 Supported by ETS Racing Fuels(JSB1000クラス)/決勝レース1 ホールショットを奪ったのは野左根 航汰選手(Astemo Pro Honda SI Racing)。これに中須賀 克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と名越 哲平選手(SDG Taem HARC-PRO.Honda)、予選7番手から3ポジションアップの岩田 悟選手(Team ATJ)、伊藤 和輝選手(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)が続くと、路面にウェットパッチが残っていたレース序盤は、まるで小排気量クラスかのような激戦となった。 予選3番手の津田 拓也選手(Team SUZUKI CN CHALLENGE)は出遅れ、一時は8番手まで後退したが、集団の中で5番手までポジションを回復。1周目の速さに定評がある長島 哲太選手(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)は、予選8番手から5番手まで浮上してさらに上を目指したが、30Rヘアピンカーブの進入でタイヤを滑らせて8番手まで後退した。2周目も随所でパッシングが繰り広げられ、トップグループは野左根選手を先頭に中須賀選手、岩田選手、津田選手、名越選手の5台に。6番手に浮上した鈴木 光来選手(Team ATJ)は名越選手と約1.2秒差で、これを僅差で伊藤選手が追った。序盤トップに立った野左根 航汰選手は、その後順位を落とすも巻き返しての2位表彰台を獲得 3周目には、トップグループの中で中須賀選手と岩田選手が抜きつ抜かれつの接戦。鈴木選手と伊藤選手が前に追いついて集団が7台に膨れ上がり、8番手を走る長島選手は遅れはじめた。4周目、野左根選手をパスして中須賀選手がトップに。すると翌周から中須賀選手はペースを上げ、1周につき1秒前後のペースでリードを拡大していった。そして10周目までに、中須賀選手は後続を6秒以上離す独走態勢を構築。最後まで後ろとのギャップを拡大し続けた中須賀選手が、今季3勝目を挙げた。独走で優勝を決めた野左根 航汰選手 一方、中須賀選手に逃げられて以降も、残された6台による接戦は継続。6周目には津田選手が集団の先頭に立ち、翌周には0.8秒ほどのリードを奪ったが、7周目には岩田選手、8周目には名越選手が3番手に浮上しながら集団で津田選手を追い、一度は縦に長くなりはじめた集団は、10周目の段階で再びワンパックになった。ただし、7番手の鈴木選手は前に1~2秒離され、これで2番手争いは5台に。11周目には名越選手がその先頭に立ち、12周目の1コーナーには名越選手と津田選手と野左根選手がスリーワイドで飛び込むなど、激しいバトルが続いた。激しい2位争いは終盤まで続いた。#7津田 拓也選手は3位を獲得 迎えた最終ラップの15周目には津田選手、伊藤選手、岩田選手、野左根選手、名越選手の順番で突入。依然として激しい2位争いが続くこの状況で、突如として大粒の雨が降りはじめた。ここで強さを発揮したのは野左根選手で、3台を次々に抜いて集団の先頭に。ジェットコースターストレートの先に待つ60Rの右ターンでは、アウトにはらんだ伊藤選手に押し出されるカタチで名越選手がコースアウトし、転倒リタイアとなった。一方、最後に待つ上りの連続切り返しセクションでは、野左根選手と津田選手と岩田選手による三つ巴の争い。一度は岩田選手が先行したが、ホームストレート直前での逆転劇により野左根選手が2位、津田選手が3位、岩田選手が4位となった。伊藤選手は5位、レース終盤は単独走行となった鈴木選手は6位、僅差で児玉 勇太選手(MARUMAE Team KODAMA)に競り勝った長島選手が7位でゴールした。果敢に攻めた岩田 悟選手は4位を獲得5位を獲得した伊藤 和輝選手■優勝/中須賀 克行選手コメント「レースがスタートした段階では、まだウェットパッチが残っている状況でしたが、自分のラインが乾くまではガマンし、乾いてからはしっかりリズムを刻むことができたので、その点はよかったと思っています。ただし、心配していたタイヤのライフについては、路面温度が少し低めだったことで表面を荒らす結果になってしまいました。もう少し走り方やタイヤの使い方を考えないと、周回数が3周多い明日のレース2はもっと厳しくなると思います。とはいえ、今日のレースでタイヤのデータをしっかり獲得できたので、それを精査し、レース2はもう少しアベレージをうまく整えて、いいレースをしたいです。とにかく地元の声援が大きく、それを力に換えて優勝できました。ありがとうございます!」■2位/野左根 航太選手コメント「自分としては、完敗だと思っています。まだちょっと路面が濡れていた1周目は、自分のポテンシャルがわりと高い感じがあったので、温存しながらも序盤でなるべく逃げるのが理想でした。ところが、予選のときのフィーリングと想定以上に違う状況で、数周目からラップタイムを上げられなくなってしまいました。中須賀選手に抜かれてからも、ついていけば集団から抜けられると考えたのですが、集団の先頭に立つと強風の影響が大きく、逆に自分がどんどん後退してしまい、挽回も厳しい状況でした。雨がなければ、この2位はなかったと思います。集団の後ろにいてサインボードも確認できず、最終ラップだということさえ知らない状況だったので、それを含めて2位になれたのはラッキーでした」■3位/津田 拓也選手コメント「最終ラップに突入した段階では2番手。1コーナーのあたりですでに雨が降りはじめていて、そういう状況では後ろにいるライダーのほうが絶対的にペースを上げやすいので、正直なところどうなるかわからないとも考えていました。最後はかなり危険な状況でしたが、そういう中でも野左根選手はうまく走れていました。自分も運よく転倒せずゴールできたのでよかったです。序盤でトップに立った中須賀選手に、どんどん離されていく展開だったので、明日のレース2では少しでもついていけるよう、チームとも相談してレベルを高めていきたいです。カーボンニュートラルのパーツも、もっと性能を発揮させられると思うので、これからもチャレンジしていきたいと思います」リザルト2025MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第5戦 スーパーバイクレースin九州公式サイトオートポリス関連情報全日本ロードレース第5戦 スーパーバイクレース in 九州