2025MFJ全日本ロードレース第5戦 スーパーバイクレース in 九州日時:2025年9月14日(日)会場:オートポリス(大分県)天気:曇り路面:ハーフウェット 2025年のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦は、「スーパーバイクレース in 九州」として9月13日(土)~14日(日)に大分県・オートポリスで開催。最高峰となるJSB1000クラスは決勝2レース設定で、土曜日のレース1よりも3周長い18周のレース2を、日曜日午後に実施予定だった。 ところがその日曜日は、インターナショナルレーシングコースを朝から濃霧が包み込み、視界不良により朝のウォームアップ走行およびJ-GP3クラスとST600クラスの決勝は中止。13時ごろになって突如として霧が晴れ、JSB1000クラスの決勝レース2は実施できたが、本来の2/3でレース1より3周少ない、12周の超スプリントで競うことになった。■JSB1000 Supported by ETS Racing Fuels(JSB1000クラス)/決勝レース2 決勝レース2のスタート直前に5分間実施したウォームアップ走行では、長島 哲太選手(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)と野左根 航汰選手(Astemo Pro Honda SI Racing)がほぼ同タイムのトップ2。一方、決勝レース1で勝利を収めている中須賀 克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)はレインタイヤでのコース確認に徹し、タイムとしては16番手にとどまっていた。ただし路面状況は急激な回復傾向で、レースに向けては全車がスリックタイヤを選択した。 タイムスケジュールの大幅変更、周回数の短縮、ウェットパッチが残る路面。ライダーの心と走りを乱す要素に囲まれたレースだったが、中須賀選手の強さはまったく揺るぐことがなかった。ポールポジションからホールショットを獲得した後、序盤こそ野左根選手の追撃を許し、2周目には野左根選手が先行したが、翌周に再び中須賀選手がトップに立つと、その後は追いすがる野左根選手をじわじわと離していった。レースが早くも折り返し地点となる6周目の段階では、両者のギャップはまだ1.5秒ほどだったが、その後の数周は1周につき約1秒のペースで中須賀選手がリードを拡大。最終的には独走で、中須賀選手が勝利を収めた。 中須賀選手と野左根選手は、レース序盤から3番手以下を着実に引き離しており、6周目の段階で野左根選手と3番手のギャップは約4.7秒。中須賀選手に引き離されたことで、レース後半は野左根選手も単独走行となり、終盤は後続の2台にやや近づかれたものの、レース1に続いて2位を獲得した。2位の#4野左根 航汰選手を引き離して独走優勝した#2中須賀 克行選手 一方、3番手争いは最初から最後まで、役者を入れ替えながら混戦が続いた。オープニングラップを3番手でクリアしたのは、予選2位だった津田 拓也選手(Team SUZUKI CN CHALLENGE)。しかし津田選手はややペースが上がらず、2周目には長島 哲太選手(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)が先行した。翌周、長島選手は1秒近いリードを確保したが、同じ周に津田選手を抜いて4番手に順位を上げた岩田 悟選手(Team ATJ)がこれを逃がさず、翌周以降に津田選手の攻略に成功した伊藤 和輝選手(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)と鈴木 光来選手(Team ATJ)も加わり、4台による接戦となった。 6周目には、コーナーでインを刺した岩田選手を長島選手がクロスラインで抜き返したが、翌周には岩田選手と伊藤選手が長島選手の攻略に成功。さらに鈴木選手もパッシングを狙い、再びクロスラインを狙った長島選手がアウトにはらんだところで、予選14番手から追い上げてきた水野 涼選手(DUCATI Team KAGAYAMA)も長島選手の前に出て、長島選手の背後には津田選手と児玉 勇太選手(MARUMAE Team KODAMA)も連なった。後続がバトルを繰り広げる間に、岩田選手と伊藤選手は約1.3秒先行したが、翌周のホームストレートで岩田選手のマシンが白煙を噴き、岩田選手はリタイア。この周、水野選手は鈴木選手を抜き、4番手に順位を上げた。#7津田 拓也選手をパスし、3位表彰台を獲得した#9伊藤 和輝選手 水野選手は鈴木選手をじわじわと離しつつ、約1.3秒あった伊藤選手とのギャップを少しずつ削り、ラスト2周となる11周目にはついに射程圏内に。しかし最後は伊藤選手が着実に逃げ切り、全日本選手権での自身初表彰台に登壇。水野選手が0.389秒届かず4位、鈴木選手が5位となった。終盤になって鈴木選手から大きく遅れた長島選手は、レース1に続いて最後は児玉選手を抑えて6位。児玉選手が7位、津田選手は8位だった。予選15位からじわじわと順位を上げて3位の伊藤選手に肉薄した#3水野 涼選手。#30鈴木 光来選手もレース1から順位を1つ上げて5位でゴール■優勝/中須賀 克行選手コメント「前戦がガマンのレースだったので、今大会は勝ちにこだわって臨みましたが、日曜日は決勝レースがあるかないかすら微妙で、ライダーも準備したり止めたりの繰り返し。モチベーションや集中力を保つのが難しい1日でしたが、せっかく会場に足を運んでくださったお客様に1レースでも楽しんでもらえて良かったです。12周の短いレースだったので、最初からプッシュしていましたが、序盤で野左根選手の先行を許しました。このときは少し様子を見ようかとも思ったのですが、野左根選手の挙動を後ろからチェックしていたら、思うように乗れていない感じがあったので、早めに抜き返してもう一度プッシュする作戦に。途中で何周か1分48秒台に入れられ、ここでじりじりと野左根選手を引き離せました」■2位/野左根 航汰選手コメント「イレギュラーなスケジュールとなり、集中力を保つのは大変でしたが、それでも決勝レースではいいペースが掴めていたと思います。昨日と比べたらマシンの状態もさらに良かったのですが、序盤から少しトラブルを抱えてしまい、中盤から終盤は酷くなりました。それがなければ、中須賀選手ともう少しいい勝負ができたのではないかと考えると悔しいですが、チームのおかげでストレートだけは負けないという速さがあったし、マシンもどんどんアップデートされてきています。レース1とレース2とも同じ2位ですが、昨日はちょっとうれしい部分もあったのに対し、今日は悔しさが残るレースでした。中須賀選手や他のライダーも速いですが、次戦ではさらにしっかり戦えるよう頑張ります」■3位/伊藤 和輝選手コメント「序盤はトップグループに喰らいついていこうと思いましたが、長島選手が一度3番手に浮上してからは、自分の前を走る3台をパスして3番手争いの集団から抜け出す戦略について考えていました。昨日のレース1と比べてフロントの挙動が大きくなりやすかったので、乗り方を変えつつ対処し、どうにかひとつずつ順位を上げていきました。最後は水野選手に、かなりビタビタに迫られましたが、なんとか抑えて表彰台に立てたので満足しています。タイヤは厳しかったのですが、とはいえペース的には大きく落とすような感じもなかったので、これが本来の周回数だったとしても、同じような戦いができたように思っています」リザルト2025MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第5戦 スーパーバイクレースin九州公式サイトオートポリス関連情報全日本ロードレース第5戦 スーパーバイクレース in 九州