2025MFJ全日本ロードレース第6戦 スーパーバイクレース in 岡山日時:2025年10月5日(日)会場:岡山国際サーキット(岡山県)天気:晴れ路面:ハーフウェット 2025年のMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第6戦「スーパーバイクレース in 岡山」は、10月4日(土)~5日(日)に岡山国際サーキットで開催。J-GP3クラスの決勝は1レースのみの設定で、日曜日の午前中に実施された。 このクラスは、前戦終了時点で107.5点の尾野 弘樹選手(P.MU 7C GALESPEED)がランキングトップ。71.5点で2番手につける若松 怜選手(JAPAN POST docomo business TP)は、公開テストで負傷して今大会を欠場しており、この段階で逆転チャンピオンの可能性が消滅した。唯一、わずかな望みを残すランキング3番手の中谷 健心選手(MotoUP Jr Team)は、尾野選手と51.5点差。今大会で優勝すれば25点、最終戦で優勝すると28点を得られるが、尾野選手が1.5点以上を獲得(14位以内でゴール)するか、中谷選手が優勝できなかった段階で、尾野選手の5年連続チャンピオンが確定する。 金曜日からの断続的な降雨は午前7時頃まで続き、朝の段階ではウェットだったが、J-GP3クラスの決勝直前になって急に晴れ、ライン上を中心に一部が乾き始めた。これにより、ウェット宣言が出されたままながら、ほとんどのライダーがスリックタイヤを選択してレースに臨んだ。なお周回数は2周減算の17周で競われた。■J-GP3クラス/決勝 決勝レースは、ウェットコンディションの予選でポールポジションを獲得した中谷 健心選手(MotoUP Jr Team)と、予選2番手から臨んだ尾野 弘樹選手(P.MU 7C GALESPEED)のマッチレースとなった。ホールショットを奪ったのは中谷選手。これに尾野選手が続くと、まだ濡れた路面が残る難しいコンディションの中、3番手以下をどんどん引き離していった。尾野選手が中谷選手を僅差でマークしたまま、トップ2は後続とのギャップを2周目に約4.2秒、3周目に約6.5秒、4周目には8.8秒に拡大。レース序盤で、優勝争いはこの2台にほぼ絞られた。 5周目、尾野選手が中谷選手をパスしてトップに立ったが、抜かれた中谷選手も遅れることなく続き、レース前半が終了する8周目には、再び中谷選手が先頭に。この周、トップグループとセカンドグループのギャップは約16秒にまで拡大していた。レース後半、尾野選手は再び中谷選手を僅差でマーク。ホームストレートで真横に並ぶ周回もあったが、中谷選手がわずかにミスしても前に出ることなく、再逆転のタイミングをうかがっていた。予選1位から果敢に攻めた#11中谷 健心選手 迎えたラスト4周となる14周目、満を持して尾野選手が再びトップ浮上。すると15周目に1分41秒006のファステストラップタイム、翌周にはこれと0.002秒差となる1分41秒008を記録し、中谷選手を1秒ほど引き離した。最終ラップは少し安全マージンを高めながらも、尾野選手はそのまま逃げ切って優勝。5年連続となるシリーズタイトル獲得を決めた。中谷選手は、全日本自己最高位となる2位を獲得。前戦では3位を獲得しているが、こちらは決勝中止による予選順位の結果によるもので、実際のレースを戦った成績としては初の表彰台登壇となった。終盤に#中谷選手を引き離す#1尾野 弘樹選手 このトップ争いからは完全に離されたものの、表彰台登壇を賭けた3番手争いも大激戦となった。集団は2周目の段階で、岡崎 静夏選手(JAPAN POST Honda RACING TP)、松島 璃空選手(BREASTO B-TRIBE RACING)、前後にウェット路面用の溝付きタイヤを履く仲村 瑛冬選手(TeamLife.HondaDream Kitakyushu)、いずれも特別参戦枠となる富樫 虎太郎選手(SDG Jr. 56RACING)と知識 隼和選手(MotoUP Jr Team)の5台。3周目には、松島選手がマシントラブルで脱落したが、スタート直後は少し離れていた高杉 奈緒子選手(TEAM NAOKO KTM)が近づき、再び5台のバトルとなった。 毎周のように順位が目まぐるしく変動するバトルを続けつつ、5周目には知識選手、6周目からは富樫選手、8周目からは岡崎選手が集団をけん引。11周目、岡崎選手に続いた仲村選手がモーターサイクルシケインでオーバーランしかけて集団から遅れた。レース終盤、高杉選手は一度は前から1秒以上遅れたが、16周目に入る頃には再び距離を詰め、4台が接近戦を繰り広げたまま最終ラップに突入した。そのヘアピンコーナーでは、知識選手が岡崎選手をパス。しかし最終コーナー立ち上がりからコントロールラインまでの間に、岡崎選手がスリップストリームを使って再逆転し、岡崎選手が3位、知識選手が特別参戦枠のトップとなる4位、富樫選手が5位、高杉選手が6位を獲得した。#4岡崎 静夏選手はコントロールライン間際で#51知識 隼和選手をかわして3位を獲得した■優勝/尾野 弘樹選手コメント「めちゃくちゃうれしいです! 毎年そうですが、優勝してチャンピオンを決めるというのが理想。昨年などと比べたら非常に楽な展開で迎えた今大会でしたが、公開テストからレースウィークまでのウェットコンディションでは非常に厳しい状況となっていて、気持ちを殺してタイトル獲得を優先すべきなのかもしれないと感じていました。しかし天候が味方してくれて、決勝レースは勝機があると感じていたドライコンディションに。この状況に、チームも自分もしっかりアジャストすることができ、勝ってチャンピオンを決めることができました。とはいえ、今日は絶対にミスが許されない状況だったので、最後に勝てればいいやという気持ちでレース展開をしっかり読み、最後もプッシュはしたのですが、安全マージンを取りながら走りました。最終戦は勝つことだけに集中して、みんなにチャンピオンとして認めてもらえる走りをします!」■2位/中谷 健心選手コメント「決勝で尾野選手が上がってくることはわかっていたので、ついていけるのであれば後ろでマークしつつ、タイヤを温存しようと考えていました。途中で前に出たので、そのままいけるなら逃げ切ろうとも思いましたが、すぐ後ろでずっと尾野選手のバイクの排気音がしていて、焦りもありました。当初の戦略とは真逆になってしまったものの、気合いでいけるかも……とも思いましたが、結果的にはダメでした。そこはしっかり反省して、次戦に活かしたいと思います。雨上がりで、スタート直後からいつもよりグリップしない印象でしたが、今後はもっとタイヤのライフを考えて走れるようになりたいです。シーズン後半は上位にいられることが増え、メカニックとのコミュニケーションも良くなり、自分自身も進化していると感じています。最終戦は、走り込んだ鈴鹿サーキット。期待してください!」■3位/岡崎 静夏選手コメント「ウェットからドライに変化しつつあった初日のスポーツ走行で転倒。そのためこの土日は、絶対に転ばないというのが最低条件と考えていました。コンディションがコロコロと変わる難しい状況でしたが、周囲からも『自分だけに雨が降っているわけではないし、みんな条件は同じだから』と言われたし、自分でもそう言い聞かせていました。決勝は、尾野選手と中谷選手についていきたかったのですが、完全に離されてしまったし、チームメイトの若松選手が欠場していなければ、私はたぶん表彰台圏内ではなかったと思うので、コンディション変化への対応力ということに関して、自分の技術不足を痛感しています。決勝では、自分の半分くらいしか生きていない若手とのバトル。最終ラップは戦略どおりで、なんとか集団のトップでゴールできました」リザルトMFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦 スーパーバイクレースin岡山公式サイト岡山国際サーキット関連情報全日本ロードレース第6戦 スーパーバイクレース in 岡山