2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦 もてぎ2&4レース日時:2025年4月20日(日)会場:モビリティリゾートもてぎ(栃木県)天気:曇り路面:ドライ2025年の全日本ロードレース選手権は、4月19日(土)~20日(日)の第1戦「もてぎ2&4レース」で開幕を迎えた。今大会は4輪のスーパーフォーミュラと併催され、2輪はJSB1000クラスのみ開催。決勝は1レースのみで、20日(日)に実施された。天候は曇りで、路面はドライコンディション。決勝がスタートした13時頃の気温は23℃だった。■JSB1000 Supported by ETS Racing Fuels(JSB1000クラス) 決勝前日の予選でポールポジションを獲得したのは水野 涼選手(DUCATI Team KAGAYAMA)。2番グリッドに高橋 巧選手(Honda HRC Test Team)、3番グリッドに浦本修充選手(AutoRace Ube Racing Team)がつけ、フロントロースタートとなった。スタート直前、事前テストの段階から予選まで、全日でトップタイムをマークしていた水野選手のマシンにクラッチトラブルが発生。水野選手は、用意してあったもう1台のマシンでの出走となった。真っ先に1コーナーに飛び込んだのはその水野選手。2列目5番グリッドから長島哲太選手(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)が好スタートを決めると、1コーナーから続く2コーナーで2番手まで順位を上げた。1周目から2周目前半にかけて、水野選手とその長島選手がし烈なトップ争いを展開。1周目の3コーナーで長島選手がトップに立つも、ダウンヒルストレートで水野選手が抜き返し、さらに2周目の1~2コーナーで長島が先行した。2周目のV字コーナーでは、中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)を抜いた野左根航汰選手(Astemo Pro Honda SI Racing)が、その勢いで水野選手のインも差し、長島選手と水野選手の間に割って入ったが、続くヘアピンカーブで野左根選手は転倒し、リタイアに終わった。ホールショットを決めたJSB1000クラスの水野選手(#3)序盤にトップ争いを繰り広げたJSB1000クラスの長島選手(#10)鋭いパッシングを見せたJSB1000クラスの野左根選手これで再び2番手に戻った水野選手は、3周目の5コーナーで再び長島選手を抜いて先頭に立つと、4周目から早くもスパートをかけ、1分47秒台で周回。9周目まで6周連続で1分47秒台を叩き出した。2番手以下はいずれも1分48秒台以下で、圧倒的にスピードで勝る水野選手は9周目までに約5.3秒のアドバンテージを確保。その後もじわじわとリードを拡大していった。結局、水野選手はレース終盤までに最大8秒も後続を引き離す完全な独走。3周目以降はライバルたちを寄せつけることなく、開幕戦を勝利で飾った。2位争いに第2の黒船「BMW M1000RR」駆る浦本選手が急浮上一方、3周目に水野選手が抜け出して以降、しばらく混戦が続いたのが2番手争い。3周目の段階では長島選手、中須賀選手、浦本選手、名越哲平選手(SDG Taem HARC-PRO. Honda)、高橋選手の5台が、7番手の津田拓也選手(Team SUZUKI CN CHALLENGE)を引き離しつつ僅差で連なった。この中で長島選手は少しずつ順位を落とし、逆に高橋選手はポジションアップ。レース中盤には、中須賀選手と浦本選手と高橋選手の2番手争い、長島選手と名越選手の5番手争いに分断された。12周目に長島選手は名越選手の先行を許すと、14周目にマシントラブルでリタイア。これにより5番手の名越選手も単独走行となった。レース終盤、三つ巴の争いから高橋選手が1周につきコンマ数秒ずつ遅れはじめ、これで中須賀選手と浦本選手による2番手争いに。16周目の5コーナーでは、浦本選手がアウトから仕掛けるシーンもあったが、中須賀選手が抑え続けた。そして、ラスト2周で中須賀選手がスパート。最終ラップに突入する段階で0.558秒というわずかなリードを守り切った中須賀選手が2位、浦本選手が3位となった。この2台から最後は完全に離された高橋選手は4位、いずれも途中から単独走行となった名越選手が5位、津田選手が6位でゴールした。JSB1000クラスの中須賀選手(#2)に同クラス浦本選手(#31)が迫ったHRCから参戦したJSB1000クラスの高橋選手(#5)は同クラス名越選手(#6)をパスするも2位争いから後退したスズキファクトリーのJSB1000クラス津田拓也選手は6位を獲得■優勝/水野 涼選手「(スタート前にトラブルがあったので)まずレースに出られてよかったですし、優勝というカタチで終われたので、本当にうれしいです。レース序盤は、長島選手に抜かれたときにリスクを感じたので少し距離を取り、周回数も多いので徐々にペースを上げていこうかと思っていたところで、野左根選手にもパスされました。これもちょっと危ない感じだったので、これ以上バトルが続かないうちにペースを上げようと戦略変更。結果的には、抜き差しに引き込まれることなく序盤にリードを拡大できたことが、勝因だと思います。ゴールしてから知ったのですが、レースで使ったのは2号車だったみたいで、序盤は『なんでこんなにペースが上げられないんだろう?』と思っていました。2&4レースのときは路面はスリッピーで、コントロールしているつもりで走っていてもリスクがあったので、最後の一瞬まで気は抜けませんでした」加賀山監督(左)と表彰台に登る水野涼選手■2位/中須賀克行選手「今年のマシンの仕様でサーキット走行する機会が少ない状況でこの開幕戦を迎え、レースウィークに入ってからも、新たに装備されたウイングレットの長所を活かすことができず、試行錯誤していました。とはいえ、なんとか先が見えてきたところでの決勝レース。水野選手が速いことはわかっていたので、『なんとしてもついていくぞ!』という強い気持ちはありましたが、自分の持ちタイムが届いていなかったので、それが厳しいことだとも認識していました。今回は水野選手が速かったし、それに自分が及ばなかったということ。次戦はスポーツランドSUGOに舞台が代わりますが、ここまでに得たデータをチームとして消化し、しっかり戦ってバトルできる状態まで引き上げたいです」2位を獲得した中須賀選手■3位/浦本修充選手「時間がない中でうまく乗り切ったウィークだったので、素直にうれしいと思う反面、最後は中須賀選手に離されてしまったし、もっと先には水野選手もいたので、悔しい気持ちもあります。中須賀選手は終始安定したペースで走っていて、自分が速いところはストレートなんですが、ついていくのがけっこう必死で、しかも最後にスパートをかけられ、逆に自分はタレてしまい、ちゃんとした勝負を仕掛けられないまま終わってしまいました。そういう意味では不完全燃焼でした。時間が足りず、ここまではちょっとしたネガをアジャストする程度のマシンづくりだったのですが、次戦の決勝までは時間があるので、異なる方向性なども試しながら、マシンをランクアップさせていきます」3位を獲得した浦本選手もてぎ2&4レースリザルト» 4月18日(金)リザルト» 4月19日(土)リザルト» 4月20日(日)リザルト関連記事一覧» 2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦 もてぎ2&4レース